世界構想プログラム

N3 Program(Node of Narrative Network)

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Message 01

第1カーブ・ビジネスからの脱却を目指して

杉本 政也氏
富士通株式会社

 世界構想プログラムに参加させていただいたのは、私がちょうど「“地域”をテーマとした新しいビジネスを創出する」というミッションとなった頃でした。自分なりに検討を重ねた結果として、「新たな需要を創出する事が必要」という点まで導き出したものの、ではどのようにして創出するのか?と悩んでいた時期でした。丁度その時に「第3カーブ・ビジネス」という考え方がある事に触れ、それこそがまさに、これから新しくビジネス創出できる方法だと感じたのです。

 

 富士通という巨大企業の分析を進めると、GDPの推移と富士通の業績は密接な関係がある事が解りました。であれば、当時は(現在もですが)デフレーションなのであって、既存の、あるいは既知の需要に対して「売り込める」ビジネスを探求しても、「パイの奪い合いビジネス」からは脱却できないと推察できるからです。一方の「第3カーブ・ビジネス」は、むしろ「つながり」を複雑化する事によって生じる「新たな需要」に応えるビジネスなのであって、「パイの奪い合いからの脱却」が可能である他、ビジネスの規模も無尽蔵に広がる事が可能なのです。

 

 また、世界構想プログラムの「」が非常に重要なものとなっています。私は巨大なIT企業に勤務していますが、多様な参加者の取り組みや視点が新たな発見をもたらしますし、参加者同士が自らの考えや思想を高みへと互いに引き上げ合っているように思えます。例えば私はIT企業や大企業といった視点からの考えをお伝えする事ができる一方で、市役所職員である参加者からは行政の視点、町づくりNPO職員である参加者からは町づくりや自然界の生き物の視点に立った考え方を示唆し合う事によって、互いの考え方に幅が広がる実感を持っています。異業種交流会等で社交辞令を交わすのではなく、異なる専門性を持ったメンバー同士が異なる視点で「良い事」を追求し合う場というのは、なかなかないのではないでしょうか。

 

 設樂先生によるナビゲーションも非常に示唆に富んでいます。私が最初に衝撃を受けたのは、「言葉」です。生活者の都合ではなく、生産者の一方的な都合に合わせて生産物を売り込む「第1カーブ・ビジネス」と日々使用している言葉が密接である事を、世界構想プログラムという学びの場で実感しました。普段、何の意識もせずに使っていた「戦略」「囲い込み」「ターゲット」「マネジメント」という言葉自身がむしろ従来型のビジネスの在り方である第1カーブ・ビジネスに結びつくものだと理解した時、古来より伝わる「言霊」という考え方に直接リンクしました。尚、それ以降、なるべく第1カーブ・ビジネスの言葉を使わないことを自分なりに判断して心がけていますが、なかなか難しいですね。時間がかかるかもしれませんが、これは将来に渡って取り組んでいきたいと思っています。

 

 言葉の他にも、未来のビジネスを考える手法について多くのヒントを得ました。例えば「マーケット調査」を称して実施されるアンケートですが、これでは未来を見る事はできません。今ではすんなり理解できますが、実際に世界構想プログラムの場での対話を通して体感的に理解できた一例です。他にも多くの学びやヒントを得ましたが、余りに多いのでこの場では上記の数例程度とします。

 

 世界構想プログラムの場で得た学びを、職業の場で活かせた事も多いです。例えば移住・交流推進機構に出向していた際、わずか10名のチームにも関わらず、上下関係を明確にしめす言葉使いが見られました。例えば、あるメンバーに対しては「~さん」と呼ぶのに、年下メンバーに対しては「~くん」と呼ぶような場合です。これでは年下メンバーはどんなに素晴らしい考えを持っていても主張できません。従って、「メンバーには上下関係は無いこと」「誰であれ”~さん”で呼ぶこと」という新しいルールを対話によって共有しました。それ以降、非常に円滑なコミュニケーションが実現し、新しい事業も従来以上のペースで創出されたように思います。

 

 一方で、出向から富士通に戻ってみると、特に直近で「第3カーブ・ビジネスの用語を主張しながらむしろ第1カーブ・ビジネスを強化するような動き」に見えてしまいます。私個人の力では大きな組織を変える事ができないかもしれませんが、今後も世界構想プログラムの場で学び続けさせていただきたいのと共に、私のできる範囲で「第1カーブ・ビジネスからの脱却」に尽力していきたいと考えています。

 

Message 02

これからのビジネスのあり方やマーケティングを再定義する「世界構想プログラム」

アラキ アキ  氏

Hummingbird 代表

バリュートランスレイター

​Profile

 長く続いた武家社会が黒船の到来をきっかけに終焉し、富国強兵の明治時代へ移行したのは約150年前。そして、原爆をきっかけに終戦をむかえ、軍国主義から高度経済成長につながる戦後の資本主義が始まったのは約70年前。これらのパラダイム・シフトと同じような変化のうねりが今、まさに起ころうとしています。それにともない、社会や価値観、ビジネスのありかたも大きく変容しています。

 

 過去の経験や従来の枠組みでは捉えきれないことが増えるなか、「世界構想プログラム」の社頭である設樂剛氏が提示するビジネス・パラダイムの新潮流は、23世紀を見据えた長期的な視野に基づいたダイナミックなコンセプト。設楽氏は、これからの社会では、人間相互の多様な協働関係のみならず、「機械」の世界(人工知能・人工生命など)、「自然」の世界(動物・植物・微生物など)を含め、超領域的な協働関係の形成が重要になると述べています。また、設樂氏が提唱する「生命論マーケティング」は、新たな知見を与えるビジネス論です。人間・社会・自然を「手段」としてきた従来の理論から、人間・社会・自然との「関わり」の中で価値を生み出す理論へと発想を転換する今までと異なるクリエイティブな視点です。

 

 「世界構想プログラム」を通じて提示されるビジネス・パラダイムの新潮流は、学びのアプローチも、次世代の学びのスタイルを示唆する手法です。設樂氏は、ビジネス・パラダイムの新潮流を織り交ぜながら、経営者、会社員、研究者、公務員やNPOの方などの多様なバックグラウンドを持つ参加者の方々の知見を引き出し、対話を促します。参加者は、設楽氏の問いをもとに見解を述べたり、質問をすることで理解を深め、気づきが生まれます。それは、対話を通じて共に学ぶCo-learningするスタイル。教える人と教わる人との上下関係から生まれる一方向の従来型の学びと異なり、対等な関係から生まれる多様な視点と気付きの示唆に溢れるインタラクティブな学びです。

 

 「世界構想プログラム」における対話を通じて、3分法思考などの新たな思考のフレームワークを持つことや発想や行動のベースとなる「物語り」のアプローチが、自らの活動の付加価値となっています。このプログラムによって学んだことをもとに、企業と生活者や社員との「あいだ」を媒介するべく、経営者や企業のフィロソフィーをアップデートし、生活者や社員へのコミュニケーションを提案しています。3分法思考や「物語り」のフレームワークを取り入れることで、生活者や社員の能力や可能性を引き出す「物語り」をコミュニケーションする「バリュートランスレイター」として、企業の信頼醸成をサポートしています。

  

 今後ともパートナーとして共に学び、網の目のように張り巡らされている多様な組織体の「あいだ」をつなぐ存在として相互に関わり、協働をしてまいります。

 

Message 03

羅針盤を持って旅をすること

鈴木 悠平  氏

文筆家

 (株)LITALICO 編集長

​Profile

 今まで自己流で手探りながらも、自分が人と関わり、物語を紡ぐ上で大切にしてきたこと、実践してきたことに対して、理論的な「骨格」が備わった。「世界構想プログラム」に参加してみての感覚を表現するとしたらそのような表現だろうか。

 

 ただしそれは、なにか一つのわかりやすい「正解」を保証してもらったり、権威付けしてもらったりするということではない。主催者である設樂剛先生の言葉選びは、他ではなくその言葉を選ぶことに対する確信があり、またそれでいて難解すぎない、聞くことでイメージが広がり、対話が生まれるような言葉選びだ。言葉を通して、世界認識の枠組みが提示される。集まった参加者は、彼に質問を投げかけられたのち、一人ひとり、最初は少し緊張しながらおずおずと、しかしながら自分の実感に基づいた言葉を発していく。次第に対話は多声的に広がりを見せ、気づくと時間が過ぎており、しかし性急な結論は出さず、場は穏やかにクローズし、参加者は銘々の日常に戻っていく。何かが瞬時に、劇的に変わるわけではない。しかし確実に、参加した私の世界を見る眼差し、他者と関わり合うときの所作はアップデートされている。そのような感覚である。

 講座では、人間社会がこれまでどのようなパラダイムで動いてきたのか、そして複数のパラダイムが地層のように折り重なりながらアップデートされていく道筋が示される。その歴史的系譜のなかに、自分の思索と実践を定位すること。それは、答え(目的地)が未だわからない中でも旅を続けていくための、地図や羅針盤のような機能を持っているのかもしれない。

 

 私はインタビュアーであり、文筆家であり、編集者である。インタビューにおいては、私自身が答えを持って誘導するのではなく、時間をともにするインタビュイーに問いを投げかけ、対話をしながら共にナラティブを紡いでいく方法を取っている。講座で示された「第3カーブ・ビジネス」というパラダイムは、強い1人のリーダーが引っ張っていくのではなく、多数多様な個人の関わり合いの中でこそ新たな価値が生み出されていくという、私の実践上のフィロソフィーに重なるものがあった。世界は重層的であるから、自分のやり方が唯一絶対とは思わない。しかしながら、自分がどういうパラダイムの中にいるかを認識できたことは、他者と、世界と関与していく上でのある種の自覚と責任を私に感じさせることとなった。物語ること、一人ひとりの小さな物語を紡ぎ、つなげていくこと。それが、私が関与する人たちにとって、少しでも善い働きをするように、という自覚と責任を持って、自分の持てる力を尽くそうと思う。

 

Message 04

常に終わらない、

世界と自分の

アップデートの場としての

世界構想プログラム」

平田 直大  氏

一般社団法人しまのわ

代表理事

​Profile

 私が設樂先生と出会い、世界構想プログラムに参加するようになったのは、以前勤めていた会社で役員をしていた4年前でした。私もそれまでの人生で、おそらく人よりも多くの、色々なタイプの知性にお会いしてきたと思っていましたが、那覇の沖縄料理屋の一室で初めてお会いした設樂先生に今までに体験したことの無い「知」を感じ、このような世界の見方をする人がいるのか、というのに驚いたことを覚えています。

 

 その後は単発のセミナー・勉強会の参加を経て、会社全体の将来像を共に考えるプログラムまで参加させていただきましたが、その場が私にとっては日々の生活や事務的な作業等の細かなことから一旦離れ、自分自身のあり方がどうあるべきかをじっくり考え、共有し、発展させられるとても貴重な場・時間となっていましたし、特に2016年は月1回で東京に行き、丸1日かけて考える機会を与えていただいたことは、当時の私や会社にとって大変有用でした。

 上記のようにして4年間、断続的に参加してきた私が世界構想プログラムの価値だと感じるのは、そこでしか得られない「世界の見方」を知ることができる点に尽きます。特に「インターミディエイター」という概念は、自分がどのような役割を担っていきたいのか、言葉にして表明しづらかったものに輪郭が与えられた気がしています。

 また、場としての「世界構想プログラム」は、多様なバックグラウンドの方が集まり、それぞれが自身の業界や背景と絡めながら対話ができるものであり、これが自分の第3カーブ・マーケティングに対しての理解や、自分自身への反映に繋がり、より深く世界の事象を考えるきっかけになっています。

 世界構想プログラムでの経験を単なる思考訓練や「良い話」だけにするか、日々の活動に生かすかは自分次第ではありますが、私はそれを日々の生活の規範として活用しようと努力しています。現在、県や市町村からの受託事業で地域活性に関するお仕事をすることが多いのですが、地域で何かしらの活動をする際には、利害が一致しない様々なセクターの方同士の連携を取り、かつ地域住民の方が主体的に社会課題等に取り組んでもらうための下地作りとして、双方の理解促進をする必要があります。しかしこの仕事をしていて思うのは、理解促進の媒体となる役割を担おうとする人が思ったよりも少ない、ということです。おそらく必要性について感じる人が少ないのでしょうが、実際は各セクター間の歪に対してはそれぞれ不満を抱えており、しかしそれが何に起因しているのかわからないためストレスばかりが溜まり相手を否定する言動ばかりを取るようになっている、というケースが多く見受けられます。インターミディエイターの需要は見えていないだけで非常に広範囲に存在し、またその意義を顕在化させること自体が我々の使命なのだとも言えます。

 その際に必要なことは、世界の見方が多様であり、一人ひとり、それぞれがそれぞれの正しさの中を生きているという前提を受け入れたうえで、対立ではない第3の道を提示することです。それはまさに世界構想プログラムで常に意識づけられることでもあります。

 世界はVULCADである、と設樂先生は常に仰っていました。最近になって大手メディアなどでも「不確実性の時代である」というようなことは言われるようになりましたが、それが何を指し示すのか、その不確実性の中解決のために何をすべきかまで言われません。しかし世界構想プログラムでは、3分法思考ナラティブ・アプローチといった、我々が取るべきアティチュードを常に提示し、かつアップデートされていくのですから、これほどまでに刺激に満ち、また自身の背筋を伸ばしていただける機会は他にはほぼ無いのではないでしょうか。残念ながらすべての概念をすんなりと即時に理解できるわけではありませんが、設樂先生や参加されている皆様との対話の中で、「なるほど、こういうことかもしれない」と理解を深めていく。この一連のプロセスで、私自身もアップデートされていくような感覚を得ることができる。それが世界構想プログラムの効用ではないかと思います。おそらくプログラムは常に未完であり、それは私たち自身が、そして世界が未完だからに他なりません。だからこそ、今後も永続的にこの価値は続いていくでしょうし、私自身もそこから新しい見方を得て、アップデートし続けることが出来るのではないかと思っています。

 

Message 05

『リーダー不要』から拡がる未来

小野寺 洋子  氏

株式会社光英科学研究所

専務取締役

 最初に設樂先生にお会いしたのは、六本木アカデミーヒルズで行われた「未来企業のための物語イノベーション~発想と行動を変える3つの情報編集術~」講座でした。

 それまでビジネス関連のセミナーと聞けば、あちらこちらと参加していた私でした。なぜなら現社長(父)から後を継ぐようにと言われていながら、私自身、組織のリーダーとは何か、そもそも事業・ビジネスとはどんな風に動かしていくのか?実感が持てないままだったのです。そして後継者として、会社のビジネスを将来どのように展開するべきか。何かヒントがほしい。いつも心の中で迷い模索する自分がいました。

 

 そんな中でお聞きした設樂先生のお話は、私がこれまでに参加してきたビジネスセミナーの内容とは大きく違いました。マーケティングの5Mとか、SWOT分析とか、これまでに教科書に出ていた内容は一切ありませんでした。

 すべてが新しく聞くお話。ビジネスは「物語」である、これまでの定石にとらわれず、視点を変えて新たに未来の「物語」をつくっていくこと。そしてこれからは、ビジネスはリーダーが引っ張っていくものではないという事。目からウロコが何度も落ちていくように感じました。

 

 そして講演の後、名刺交換で自己紹介をさせていただいた時に、先生は

「そうですか、小野寺さんは後継者なのですね。後々に代表になるとき、気を付けなければなりませんよ、リーダーになろうと思ってしまうかもしれないですから」

とおっしゃいました。おおげさなようですが、一瞬、光が差したように思いました。

これまでの自分は、リーダーにならなければ跡継ぎとして失格であると思い込んできました。「一つの目標に向かって多くの人を巻き込むための、人間力が必要である」とも。と、自分で思いながらも、これらの事に違和感を覚えている自分を恥じていました。

 でも「リーダー不要」の未来ならば、ビジネスの新しい物語をつくっていけるかもしれない。リーダーになりきれない私でも、もしかしたら何とかなるかもしれない。

これがきっかけとなり、設樂剛事務所主催の「世界構想プログラム」に参加するようになりました。

 

 プログラムの中で「第3カーブ・ビジネス」の話をお聞きした時には、ワクワクが止まりませんでした。それは第1カーブ、第2カーブという過去から現在におけるビジネス世界から、トンネルを抜けて外にひろがるような「新たな世界」でした。

 また、プログラムに参加されている多くの方のお話を聞き、時には私から話題提供をさせていただく中で、まさに第3カーブの図のように多くの方向へ網の目が広がっている事を実感しています

 「リーダー不要」は、これからも私のキーワードになりそうです。そもそも世界は自分ひとりで作られているのではなく、多くの人、動物、微生物、植物、鉱物、機械、など無限のアウターが存在する中で網の目のようにつくられています。考えてみれば、当たり前の事なのかもしれませんが・・・でも、人は日常に忙殺されて、自分以外の事を見失いがちになります。そんな時、視点を変えて物事をとらえること、そして、それぞれの物語に思いを馳せることが大事なのではないか、と。これも世界構想プログラムに参加してから芽生えた思いです。

 そして未来に向けて、私なりの経営スタイルを模索し、ビジネスの物語を紡いでいきたいと思います。

 

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