下降スパイラルから抜け出すためには、「後追い」でないのはもちろん、「変化対応」でもなく、「未来先導」を目指すことである。
そのためには、2つのレベルでの果断な作業が必要になる。第1に、ものの見方として、課題中心から、機会中心にシフトすること。また第2に、新たな機会と方向を踏まえ、物語を脱構築することである。物語こそは、個人の生き方や、組織の行動と意思決定に、大いに影響を及ぼしてきた。
さて、物語を意味する英語は「ナラティブ」であり、さらにタイプの異なる物語と物語のネットワーク、つまり、物語の生態系を「ナラティブウェア」という。
ナラティブウェアは、至る所に見いだすことができる。たとえば最近のNewsweekは、「国際協調を前提にしたグローバリズムの時代は終わ」り、次に「大闘争時代」がやって来るとして、物語の基調変化を説いている。
では、「来るべき大闘争時代」という物語は、どういった物語が連結してできているのか。
「アメリカの相対的衰退」「新技術による衝突リスクの高まり」「イデオロギー対立への回帰」といった3つの物語群である。
産業界もまた、人びとを生産性向上に走らせる「GDP神話」、カリスマ待望論を後押しし、指示待ち人間を増産する「リーダー・フォロワー神話」、知財をはじめ無形財産への意識を削ぐ「ものづくり神話」などなど、現代のビジネス神話も跋扈、浸透している。
このように、私たちはつねにナラティブウェアに囲まれながら、認識を形成し、態度調整し、行動や政策をデザインしていく。
人間は、物語なしに生きることができない。だが、ひとは単一の物語だけを抱えているわけではない。ナラティブウェアの単位で見ていくことが、政策・戦略を立案する上でも、心を解きほぐしたり、社会システムを変革したりする上でもポイントになってくる。
今回、一人ひとりの人間形成にも、世界史を動かすことにもふかく関与してきたナラティブウェアについて、全5回のプログラムを実施します。企業、行政、NPOを問わず、物語を作り直したい方々、停滞打破に意欲的な方々、そして、これからをつくる方々に、お集まりいただきたいと思っています。
● Lecturer:
設樂 剛( Tsuyoshi Shidara, Ph.D. )
設樂剛事務所 代表
慶應義塾大学 博士〔 政策・メディア 〕
◉ 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修了後、シンクタンクにて、ビジネス・フィロソフィーの変革を推進。LINEの母体企業ハンゲームジャパン(株)の創設メンバー。初代チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO) 兼 副社長を経て、設樂剛事務所を設立。革新型経営者のアドバイザー。今後の大きな方向と展望をイメージできるよう、新たなビジネス・パラダイム(ビジネスの見方・考え方)の導入・形成に取り組んでいる。対話的に世界構想を描く「ナラティブ・アプローチ 」を重視。
◉ 論文(査読付)に、「物語ブランディングの政策効果」(政策情報学会)、「ブランディングにおける物語効果」(情報文化学会)。
◉ 公式サイト:archipelagos.jp
● 参加形態:
オンライン講座
お申込いただいた方へ、事務局より参加方法をご案内いたします。
事後に動画を共有する予定です。
● 日程:
第1回 4月12日(水)
ナラティブウェアへの招待
—物語の複雑性と現代世界—
第2回 5月10日(水)
変化対応より 未来先導
— 現代のビジネス神話(1)—
第3回 6月14日(水)
混沌からの協働
— 現代のビジネス神話(2)—
第4回 7月12日(水)
物語の結び目を最初につくる人びと
— The Tales of Intermediator —
第5回 8月 9日(水)
物語は これからをつくる
—孤島でも、帝国でもなく、多島海へ—
※各回 19時〜21時の開催です(開場 18時45分)
●参加費: ※表記は税別
一般 1回 7,000円、全5回 35,000円
学生(27歳まで) 1回 3,000円、全5回 15,000円
サーティファイド・インターミディエイター 1回5,500円、全5回 27,500円
※ご関心がおありの方で、何らかの理由で参加費のお支払いが困難な場合、5名様に限りご相談に応じます。理由を添えて、以下の問い合わせフォームにて、ご連絡ください。
※ご参加の方は、「プログラム参加規約」をご確認いただき、同意の上でご参加くださいますようお願いいたします。
● いただいた個人情報は、本コミュニケーションにのみ使用いたします。
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