世界構想プログラム
N3 Program(Node of Narrative Network)
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Message 05
『リーダー不要』から拡がる未来
小野寺 洋子 氏
株式会社光英科学研究所
専務取締役
最初に設樂先生にお会いしたのは、六本木アカデミーヒルズで行われた「未来企業のための物語イノベーション~発想と行動を変える3つの情報編集術~」講座でした。
それまでビジネス関連のセミナーと聞けば、あちらこちらと参加していた私でした。なぜなら現社長(父)から後を継ぐようにと言われていながら、私自身、組織のリーダーとは何か、そもそも事業・ビジネスとはどんな風に動かしていくのか?実感が持てないままだったのです。そして後継者として、会社のビジネスを将来どのように展開するべきか。何かヒントがほしい。いつも心の中で迷い模索する自分がいました。
そんな中でお聞きした設樂先生のお話は、私がこれまでに参加してきたビジネスセミナーの内容とは大きく違いました。マーケティングの5Mとか、SWOT分析とか、これまでに教科書に出ていた内容は一切ありませんでした。
すべてが新しく聞くお話。ビジネスは「物語」である、これまでの定石にとらわれず、視点を変えて新たに未来の「物語」をつくっていくこと。そしてこれからは、ビジネスはリーダーが引っ張っていくものではないという事。目からウロコが何度も落ちていくように感じました。
そして講演の後、名刺交換で自己紹介をさせていただいた時に、先生は
「そうですか、小野寺さんは後継者なのですね。後々に代表になるとき、気を付けなければなりませんよ、リーダーになろうと思ってしまうかもしれないですから」
とおっしゃいました。おおげさなようですが、一瞬、光が差したように思いました。
これまでの自分は、リーダーにならなければ跡継ぎとして失格であると思い込んできました。「一つの目標に向かって多くの人を巻き込むための、人間力が必要である」とも。と、自分で思いながらも、これらの事に違和感を覚えている自分を恥じていました。
でも「リーダー不要」の未来ならば、ビジネスの新しい物語をつくっていけるかもしれない。リーダーになりきれない私でも、もしかしたら何とかなるかもしれない。
これがきっかけとなり、設樂剛事務所主催の「世界構想プログラム」に参加するようになりました。
プログラムの中で「第3カーブ・ビジネス」の話をお聞きした時には、ワクワクが止まりませんでした。それは第1カーブ、第2カーブという過去から現在におけるビジネス世界から、トンネルを抜けて外にひろがるような「新たな世界」でした。
また、プログラムに参加されている多くの方のお話を聞き、時には私から話題提供をさせていただく中で、まさに第3カーブの図のように多くの方向へ網の目が広がっている事を実感しています。
「リーダー不要」は、これからも私のキーワードになりそうです。そもそも世界は自分ひとりで作られているのではなく、多くの人、動物、微生物、植物、鉱物、機械、など無限のアクターが存在する中で網の目のようにつくられています。考えてみれば、当たり前の事なのかもしれませんが・・・でも、人は日常に忙殺されて、自分以外の事を見失いがちになります。そんな時、視点を変えて物事をとらえること、そして、それぞれの物語に思いを馳せることが大事なのではないか、と。これも世界構想プログラムに参加してから芽生えた思いです。
そして未来に向けて、私なりの経営スタイルを模索し、ビジネスの物語を紡いでいきたいと思います。