世界構想プログラム
N3 Program(Node of Narrative Network)
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5th Anniversary Messages
Message 06
新しい価値に出会う場所
山田 泰久 氏
非営利組織評価センター
業務執行理事
世の中の社会課題の解決に取り組んでいるNPOを支援・応援するNPO(業界では「中間支援組織」と呼んでいます)という仕事に関わるようになって約11年。所属しているNPOが取り組んでいる活動や、自分自身の考え方を進化させようと思い、飛び込んだのが「世界構想プログラム」の場でした。
NPOだからこそ、最先端のビジネスやマーケティングのコンセプト、ビジネス・パラダイムの変化を知りたいという思いからでした。でも、そこでは単なるビジネスの話しだけではなく、様々な組織・活動・事業に共通する、時代の変化に伴うパラダイム・シフトを知る機会となりました。現在の混沌とした状況において、セクターを問わず、自分たちの活動を再定義し、その価値を確認すること必要性を強く感じました。
そのためのヒントを、主宰者である設樂剛さんのレクチャーからふんだんに学び、それを羅針盤に、他の参加者の発表からも実践を踏まえたヒントを得ることもできました。自分のようなNPOセクターの人間から、行政や福祉の立場の方、あるいは現場の第一線で活躍されているビジネス・セクターの方まで、様々なセクターの関係者が集う場は、まさに「創発のためのサロン」でした。創発がゆえに、この場で発した自分の言葉からも、今までまったく認識していなかった考えを発掘し、手に入れることもできました。2時間の講座は気づきの連続です。
世界構想プログラムで得たものを振り返ると、自分自身の活動に関する「価値」をあらためて考える機会になったということでした。
そこには2つの価値があります。もともと活動に備わっていた価値をこの場に参加することで、再確認し、新たに言語化することができたもの、つまり潜在的な価値。もう一つは、ここで得た様々な知見をもとにし、自分たちの活動を発展させることであたらしく生み出そうとするものである、未来の価値。
潜在的な価値は自分たちの活動の魅力であり、未来の価値は活動指針となるものです。こうした価値を巡る冒険も、いわゆるフレームワークやワークショップではなく、対話の中で創発して生まれてきたものです。この価値を再確認していく仕組みこそが世界構想プログラムの魅力ではないでしょうか。
この場に参加するためには、予備知識も事前の準備も必要ありませんでした。ただ、自分たちの活動があり、その価値を見極めたいという思いだけあれば、大丈夫です。設樂さんのレクチャーと様々な背景を持っている参加者の知見との対話が、大きなヒント、そして数多くの気づきを提供してくれます。今まで気づかなかった活動の魅力や価値、あるいは可能性に巡りあう場です。これからの事業を進めていく上での指針のヒントを得ることが出来ました。
最後に、個人的なこととして、NPO活動の意義について、「NPOとはいかに価値を創出していく存在になるべきか」という考えにたどりつくことができました。このアイデアがきっかけになり、NPO関係者を対象にしたセミナーを、設樂剛事務所の協力のもと開催しました。NPOが生み出す価値について参加者のみなさんとの対話を進めながら考えるセミナーとなりました。
世界構想プログラムで、毎月2時間の刺激的な場を体感することができました。単なるレクチャーだけではなく、一緒に対話することでの気づきこそ、このプログラムの価値です。